防水・防塵の規格「IPX」とは?等級の違いや注意点を解説

防水・防塵の規格「IPX」とは?等級の違いや注意点を解説
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2023.06.26

スマホやスマートウォッチ、イヤホンなど、身近な電子機器の性能のひとつにIPXという表記があります。しかし「IPXの数字の意味がいまいちわからない」「防水や防塵ってどれくらいの数字のスマホを買えばいいの?」と悩む方も多いようです。

IPXとはIP(International Protection)規格が定める電子機器の防塵・防水機能を表す国際規格の保護等級で防塵は0~6等級、防水は0~8等級まであります。

IPと防塵・防水の保護等級を示す数字を組み合わせ、「IP68」のように表記されたり、「IP6X/IPX8」のように表記されたりします。

今回はIPXとはどんな規格なのか、防塵・防水等級によって異なる点や注意点を解説します。

目次

IPXとは防塵・防水の機能の有無や保護レベルを表す規格

IP○○という表記は、「IP(International Protection)コード」もしくは「IP保護等級」と呼ばれており、防塵・防水性能を表します。

IP保護等級はIP+2桁の数字で表記され、1つ目の数字が防塵性能、2つ目の数字が防水性能を示しています。

防塵性能のみを表すときは、「IP5X」のようにIPに続く文字の1つ目を数字、2つ目を「X」と表記します。一方、防水性能のみの場合は「IPX7」のように1つ目を「X」、2つ目を数字で表記します。

たとえば防塵・防水性能の表記がIP57の場合は、防塵性能が5等級、防水性能が7等級という意味です。

防塵性能は細かな塵の侵入を防ぐ性能です。スマホやスマートウォッチを細かな塵から守り、故障の原因になることを防ぎます。

防水性能は水の侵入を防ぐ性能です。スマホやスマートウォッチを雨や水滴、浴室の中などのさまざまな水の浸入から守り、水没故障を防ぎます。

IP保護等級は防塵・防水性能を表す国際規格(IEC60529)で、国際電気標準会議(IEC)で定められており、互換性がある日本のJIS C 0920:2003は、このIEC60529をもとに2003年に改定されました。

スマホが水没したときの対処法についてはこちらをご参照ください。

IPXの数字による等級と防塵・防水性能の違い

IPXの防水等級は、単純な保護強度だけではありません。どのような環境で機器が保護されるのか、防水等級によって保護強度が異なります。

また、防塵性能は、機器の中に塵が入らないようにするだけでなく、手や工具などが触れると危険な箇所への保護があることも含まれています。

現在、日本で販売されているスマホの多くは、一般的に生活防水といわれるIPX3~4以上の防水機能を備えています。

IPXの等級が高くても完全防水とは限らない理由

保護等級

防塵

防水

0級

保護されていない。

保護されていない。

1級

直径50mm以上の大きな固形物の侵入を防ぐ。こぶしが危険な箇所に接近しないような保護がある。

鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響を受けない。

2級

直径12.5mm以上の固形物の侵入を防ぐ。指が危険な箇所に接近しないような保護がある。

鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響を受けない。

3級

直径2.5mm以上の固形物の侵入を防ぐ。工具が危険な箇所に接近しないような保護がある。

鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴(散水)による有害な影響を受けない。

4級

直径1.0mm以上の固形物の侵入を防ぐ。針金が危険な箇所に接近しないような保護がある。

あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響を受けない。

5級

防塵型。針金が危険な箇所に接近しないような保護がある。

あらゆる方向からの噴流水による有害な影響を受けない。

6級

耐塵型。針金が危険な箇所に接近しないような保護がある。

あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響を受けない。

7級

一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水しない。

8級

継続的に水没しても内部に浸水しない。

防水性能は、等級が高くなるほど性能がいいわけではありません。水に沈めたとき(潜水)と、水圧が高い水(噴流)をかけたときで等級が異なります。

IPX7、IPX8は水没に対する性能で、水の中に静かに沈めたときに、内部に水が浸入しないことを示しています。たとえば、スマホをお風呂などに落としてしまった場合は、IPX7やIPX8であれば水没による故障から守られます。

一方、IPX5、IPX6は水圧が高い水をかけたときの防水性能を示しています。たとえばスマートウォッチを身に着けたままシャワーを浴びたり、流水で食器を洗ったりする場合は、IPX5やIPX6の性能が必要になります。

このようにIPXは潜水と噴流で防水性能が異なります。どちらに対しても水の侵入を防げる機能を持つ場合は、「IPX5/IPX8」のように2つの防水性能を併記することがあります。

また、注意するべき点として、IPXの規定にはテストをするときの細かな基準がありません。そのため、各社独自の基準でテストが行われているので、同じIPXでも性能が同等とは限らないのです。

加えて、防水性能は、永続ではないという点にも注意しましょう。防水性能は経年劣化するため、何年も継続して使っているスマホは、故障する可能性があります。

もし水中でスマホやスマートウォッチを使いたい場合は、防水性能だけでなく水圧の性能も見る必要があります。ATMで表記される気圧防水や、ダイバーズウォッチとしての性能もチェックしておきましょう。

ウォータースポーツや水泳なら10~20ATM、本格的なダイビングを楽しむならダイバーズウォッチの性能があるスマートウォッチがおすすめです。

防水性能がIPX6/IPX7以上のスマホでも水濡れで故障する可能性がある理由

防水性能が「IPX6/IPX7」、もしくは「IPX6/ IPX8」と表記されているスマホでも、水が浸入して故障することがあります。その理由は、以下の4つです。

1)IPXスマホの防水機能は永続ではない
前述のとおり、スマホの防水性能はスマホを利用しているうちに劣化してしまいます。劣化した部分から水が浸入する恐れがあるため、何年も使っているスマホやスマートウォッチを水がある環境で利用するのは避けましょう。

2)海水や温泉などの真水以外の場所で落とすと、腐食してしまう可能性がある
海水や温泉、入浴剤の入ったお風呂などの真水以外の場所でスマホを落とすと、入り込んだ水分に含まれている塩分などの成分が乾いても残ってしまい、腐食の原因になることがあります。

3)水蒸気がスマホの微細な隙間から入り込む
お風呂などの湿度が高い場所でスマホを使うと、水蒸気がスマホの微細な隙間から入り込んでしまいます。そのため、スマホの内部で結露しやすくなり、水没故障の原因になることがあります。

4)IPX8は潜水型だが、アクティビティに対応しているとは限らない
IPX8は潜水型ですが、静かに水の中に入れた場合の防水性能を示しています。持ったまま海に潜ったり泳いだり、水中で撮影することは想定されていません。

完全防水と表記されていても、スキューバダイビングやウォータースポーツなどのアクティビティに対応していることが明記されていなければ、故障してしまう可能性があります。

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IPXは、スマホやスマートウォッチが水からどれくらい守られるのかという性能を、数字で表したものです。キッチンやお風呂でスマホを使う方や、万が一の水没リスクに備えておきたい方は、IPXの表記を見てスマホを選ぶといいでしょう。

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