iPhoneを初期化(リセット)する手順は?事前準備や注意点・データ復元を解説

iPhoneを初期化すると、本体のデータがすべて消去されて工場出荷時の状態に戻ります。
iPhoneを売却して手放すときや、不具合を解消しきれないとき、紛失・盗難のときなどは初期化が必要です。本体の「設定」にある「転送またはiPhoneをリセット」から初期化が実行できます。
今回は、初期化の準備や方法、強制初期化の手順などを解説します。
iPhoneの初期化(リセット)とは?

iPhoneの初期化とは、iPhoneを工場出荷状態に戻し、保存されていたデータをすべて消去する機能です。iPhoneを初期化した場合、消去されるデータは以下のとおりです。
・iPhoneの各種設定
・インストールしたアプリ
・iPhoneで撮影した写真や動画
・ダウンロードした音楽などのコンテンツ
初期化をすると起動してから変更した設定やインストールしたアプリなどは、すべて消去されます。
なお、iPhoneを初期化する際には、不正利用を防ぐためのアクティベーションロックを無効にするなど、いくつかの準備が必要です。特にアクティベーションロックを無効にすることを忘れると、次の持ち主が使えなくなる恐れがあるため注意が必要です。
※アクティベーションロックの詳細については、こちらをご確認ください。
iPhoneを初期化(リセット)する必要があるのはどんなとき?

普通にiPhoneを使っている限り、初期化が必要になることはほとんどありません。iPhoneを初期化する必要があるのは、主に次の3つのケースです。
・現在のiPhoneを手放すとき
・利用中のiPhoneに不具合が起き、再起動をしても直らないとき
・iPhoneを紛失したり盗まれたりしたとき
初期化を行う理由や目的によって、必要となる手順や注意点が異なります。それぞれのケースについて以下で詳しく見ていきましょう。
iPhoneを手放すとき
iPhoneにはApple Account(旧Apple ID)だけでなく、個人を特定しやすい写真や動画、連絡先や各種パスワード、人によってはクレジットカードの情報も入っています。
古いiPhoneをほかの人に譲渡・売却をするときは、個人情報を保護するためにも、すべてのデータを消し、工場出荷時の状態に戻すことが必要です。
バックアップを取ったら、初期化の手順を進めます。初期化後に再度iPhoneを起動して、初期設定の画面が表示されることを確認してください。
iPhoneを下取りサービスに出す場合は、事前にApple Account(旧Apple ID)からのログアウトや初期化が義務付けられていることが多いため、忘れずに行いましょう。
iPhoneに不具合が起きたとき
アプリが繰り返し誤作動を起こしたり、起動しなかったりする不具合や、画面のタッチパネルが反応しない、カメラが頻繁にシャットダウンするなどの不具合が起きたとき、iPhoneを初期化すると改善する場合があります。
バックアップなどの事前準備を済ませたうえで、初期化の手順を進めましょう。初期化後、再起動してバックアップから復元を行ってください。
不具合が解消されない場合は、iPhone本体が故障している可能性もあります。その場合は、Appleへ修理に出す必要があります。Appleに修理依頼をする場合は初期化が必要なので、不具合が頻発するときは、初期化を試してみるとよいでしょう。
iPhoneの紛失・盗難時
iPhoneを紛失したり盗まれたりして、「iPhoneを探す」機能を使ってもiPhoneが見つからない場合は、iCloudを利用してiPhoneを初期化してデータを削除しましょう。iPhoneを取り戻すことができなくても、初期化をすれば個人情報の流出を防ぐことができます。
iPhoneがインターネットに接続されている場合は、iCloudにサインインして遠隔で初期化できます。iPhoneがオフラインの場合でも、初期化は有効です。次にiPhoneがオンラインになったタイミングで、リモートで消去が始まるように設定されます。
ただし、AppleCare+ 盗難・紛失プランに加入していて補償の申請が承認される前に初期化してしまうと、iPhoneが置かれた場所がわからなくなり、補償の対象外とされてしまう点に注意しましょう。
補償申請が承認されるまで「iPhoneを探す」で「紛失としてマーク」または「紛失モード」をタップしてiPhoneをロックしておき、ほかの人がデータを盗み見できないように設定します。申請が承認されたら、あらためて遠隔でiPhoneを初期化しましょう。
※紛失モードの詳細は「iCloud.comの「iPhoneを探す」で紛失モードを使用する」をご確認ください。
※「iPhoneを探す」の設定方法・探し方については、こちらをご確認ください。
iPhoneを初期化(リセット)する前にまずやるべき準備
iPhoneを初期化する前にまずやるべき準備としては、以下が挙げられます。それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
・iCloudにバックアップを取る
・LINEなどの個別バックアップを取る
・Apple Watchとのペアリングを解除する
・交通系ICカードを削除する
・「iPhoneを探す」を解除する
・iCloudなどからサインアウトする
iCloudにバックアップを取る
初期化前は、iPhoneのバックアップを取っておく必要があります。そうすれば、初期化後や買い替え後のiPhoneにデータを復元できます。
本体の「設定」にある「iCloud」の項目からバックアップが可能です。Wi-Fi®に接続したうえで、以下の手順でバックアップを実行します。
1. 「設定」>「ユーザ名」>「iCloud」をタップ
2. 「iCloudバックアップ」をタップ
3. 「今すぐバックアップを作成」をタップ
LINEなどの個別バックアップ
LINEアプリのトーク履歴や一部のゲームアプリのデータなどは個別にバックアップが必要です。
LINEアプリのトーク履歴は、「ホームタブ」>「設定」>「トークのバックアップ」の順にタップし、画面に沿って操作することでバックアップが可能です。ゲームアプリなどのバックアップの方法は、各サービスの公式サイト内などで確認できます。
Apple Watchとのペアリングを解除
Apple Watchを利用している場合は、初期化する前にペアリングを解除しましょう。ペアリング解除は、Apple WatchとiPhoneを近づけて以下の手順で操作します。
1.iPhoneで「Apple Watch」アプリを開く
2.「マイウォッチ」タブを開いて「すべてのWatch」をタップ
3.ペアリングを解除するApple Watchの横の「i」のアイコン(情報ボタン)をタップ
4.「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップ
5.「(Apple Watchの名前)とのペアリングを解除」をタップ
6. GPS+Cellular モデルの場合は、モバイル通信プランを残すか削除するかを選択
7. Apple Accountのパスワードを入力してアクティベーションロックを解除
8. Apple Account(旧Apple ID)のパスワードを入力してアクティベーションロックを解除
9.「ペアリング解除」をタップ
GPS + Cellularモデルは、初期化後に再びiPhoneとペアリングする予定ならモバイル通信プランは残します。携帯電話会社の乗り換えなどを予定している方などは、モバイル通信プランを削除しましょう。
交通系ICカードを削除
交通系ICカードを削除する場合は、以下の手順で操作します。
なお、交通系ICカードは1枚につき1台まで登録が可能です。
1.iPhoneで「ウォレット」アプリを開きます
2.削除したいカードをタップ
3.右上の「…」をタップ
4.「カードの詳細」をタップ
5.「カードを削除」をタップ
「iPhoneを探す」を解除
「iPhoneを探す」を有効にしたまま初期化すると、アクティベーションロックがかかり、解除のためにはApple Account(旧Apple ID)とパスワードの入力が必要となります。
アクティベーションロックは、紛失・盗難の際にiPhoneが第三者に不正利用されないようにする仕組みで、「探す」をオンにすると自動的に設定が有効になります。
初期化したiPhoneが使えなくなる可能性もあるため、以下の手順で「iPhoneを探す」の設定をオフにしておきましょう。
1.「設定」アプリ>「自分の名前」>「探す」をタップ
2.「iPhoneを探す」をタップ
3.「iPhoneを探す」がオンになっている場合は、スイッチをタップ
4.Apple Accountのパスワードを入力して「iPhoneを探す」をオフ
iCloudなどからサインアウト
iCloud、iTunes Store、App Storeからのサインアウトは、以下の手順で実行できます。
1.「設定」アプリ>「ユーザ名」をタップ
2. 一番下までスクロールして「サインアウト」をタップ
iPhoneを初期化(リセット)しよう!初期化の方法を紹介

ここからは、iPhoneを初期化(リセット)する手順を解説します。準備の段階でやり忘れていることはないか再度確認したうえで、初期化を進めていきましょう。
iPhoneを初期化(リセット)する方法
iPhoneを初期化する手順は、次のとおりです。
1.「設定」アプリ>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
2.「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
3.「このiPhoneを消去」の画面で「続ける」をタップ
4.「iPhoneを消去」をタップして実行
なお、eSIM を利用している場合は、eSIM を保持するか、eSIM を削除するかを手順の中で選択できます。
同じiPhoneでeSIMを引き続き利用する場合などは、eSIMを保持しておきましょう。
初期化(リセット)が終わってから、データを復元する方法
初期化したiPhoneを使い続ける場合は、データの復元を行いましょう。データを復元すると、以前利用していた状態を再現できるため、本体の設定やアプリのダウンロードをやり直す必要がありません。
初期化後にiPhoneを起動すると購入時と同様に初期設定の案内が表示されるので、画面の指示に沿って、以下の手順で設定を完了させます。
1.データを削除した、または新しく購入したiPhoneの電源を入れ、画面に「こんにちは」と表示されるか確認
2.「アプリとデータを転送」の画面まで設定を進める
3.「iCloud バックアップから」を選択
4.iCloud で使用しているApple IDとパスワードでサインインして設定を進める
5.復元したいデータが入っているiPhoneのパスワードを入力
6.「iCloud バックアップを選択」の画面で、復元したいバックアップを選択
7.さらに設定を進めると進行状況バーが表示されるため、完了するまで待つ
データ利用量によっては、バックグラウンドでの復元に数時間から数日ほどかかる場合があるため、データの復元中はスマホを充電器とWi-Fiに接続しておくとよいでしょう。
なお、iPhoneを手放す場合は、再度iPhoneを起動したときに初期設定の画面が表示されていることを確認して、データを復元せずに電源を切ります。
※バックアップと復元の詳細についてはこちらをご確認ください。
パスコードを忘れたときに初期化(リセット)を実行する方法

パスコードを忘れたときは、設定以外から初期化を実行したうえで、バックアップからデータを復元することで解決できます。初期化後の初期設定で、パスコードを再設定することが可能です。
パスコードを忘れたときの初期化の方法は、パソコンを使った方法、パソコンを使わない方法の2通りがあります。それぞれについて、以下で見ていきましょう。
パスコードを忘れたときにパソコンを使って初期化(リセット)する方法
パソコンがあるときは、iTunes/Finderを利用することで初期化(強制初期化)を実行します。パソコンを使った初期化の手順は、以下のとおりです。
1.以下の手順で電源オフスライダを表示し、スライドしてiPhoneの電源をオフにします。
・Face ID搭載モデルの場合:サイドボタンと音量を下げるボタンを同時に長押し
・ホームボタンのあるモデル:サイドボタンを長押し
2. Mac/WindowsパソコンとiPhoneをケーブルで接続し、すぐにサイドボタン(iPhone 7は音量を下げるボタン、iPhone 6s以前/iPhone SE(第1世代)はホームボタン)を押し続けます。
Appleロゴが表示されている間は、リカバリモードの画面(パソコンとケーブルのイラストの画面)が表示されるまでボタンを押し続けてください。
3. Windowsでは「iTunes」、Macでは「Finder」を開きます。
4.iTunes/Finderで「アップデート」「復元」の選択肢から「復元」をクリック。画面に沿って操作を進め、初期化を実行します
初期化完了後は、iPhoneに「こんにちは」の画面(初期設定の最初の画面)が表示されます。iPhoneとパソコンの接続を外し、iPhoneを初期設定して利用を再開します。
パスコードを忘れたときにパソコンを使わずに初期化(リセット)する方法
パソコンを使わないで初期化するには、以下の手順で操作します(iOS 16以前で eSIMを使っている場合は、以下の手順を試す前に通信事業者に問い合わせのうえ、eSIMの再設定用のQR コードを受け取ってください)。
1.デバイスのロック画面で、パスコードの誤入力を連続して繰り返します
2.「iPhoneは使用できません」という画面が表示されたら、画面右下の「パスコードをお忘れですか?」をタップ
3.「iPhoneのリセットを開始」をタップ
4.Apple ID のパスワードを入力
5.「iPhoneを消去」をタップして実行
iOS 17以降で eSIM を利用している場合は、eSIM を保持するか、eSIM を削除するかを手順の中で選択できます。
iPhoneが不具合のときにアップデート/強制初期化(リセット)を実行する方法
起動中にAppleロゴ、赤色や青色の画面が表示される場合は、以下の手順でアップデート/強制初期化を実行します。
1. iPhoneをWindowsパソコン/Macに接続します
2. Windowsでは「iTunes」、Macでは「Finder」を開き、パソコン上でiPhoneを選択します
3.iPhone本体のボタン操作でリカバリモードを画面に表示させます
▼iPhone 8以降(iPhone SE(第2/3世代)を含む)
音量を上げるボタンを押してすぐに放したあと、音量を下げるボタンを押してまたすぐに放してから、サイドボタンを長押し
▼iPhone 7
サイドボタンと音量を下げるボタンを同時に長押し
▼iPhone 6s以前
ホームボタンとサイドボタンまたはトップボタンを、リカバリモードの画面(パソコンとケーブルのイラストの画面)が表示されるまで同時に押し続ける
4.パソコンの画面に「アップデート」「復元」の選択肢が表示されます。不具合がある場合には、まずは「アップデート」を選択しましょう。アップデートが機能しない場合は、復元をクリック。画面に沿って操作を進め、強制初期化を実行します
初期化(リセット)できないときはAppleに問い合わせる
どうしても初期化ができないときは、Appleサポートに問い合わせましょう。Apple公式サイト内のAppleサポートのページなどから問い合わせが可能です。
初期化で本体の不具合が解消できない場合なども、Appleへの問い合わせを検討してみてください。
iPhoneを手放すときは初期化(リセット)して個人情報を守ろう
iPhoneを初期化すると、データや写真などの個人情報がすべて消去されます。
アクティベーションロックや交通系ICカードなどとの連携を解除してから、初期化で個人情報を消去すれば、iPhoneを安全に手放すことが可能です。
ただし、iPhoneを初期化する際はデータのバックアップやアプリの引き継ぎなどが必要で、忘れてしまうと面倒な作業が必要になります。
初期化の際は手順や注意点を把握したうえで、ひとつずつ確実に操作を進めましょう。また、手持ちのiPhoneを手放して、新しいiPhoneに買い替える際は携帯電話会社の乗り換えを検討してみるのもおすすめです。
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