デュアルSIMとは?その種類とメリット・ デメリットについて解説

デュアルSIMとは?その種類とメリット・ デメリットについて解説
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2022.09.06

iPhoneやXperiaで「デュアルSIM」という言葉が話題になりましたが、このデュアルSIMとは一体どのようなものかご存知でしょうか。

デュアルSIMとは1台のスマホにデュアル(dual/2重)にSIMカードを挿入して、2つの携帯電話番号や料金プランを利用できる機能です。

異なる携帯電話会社のSIMを同時に使用できるため、たとえば片方は通話に、片方はデータ通信にそれぞれ特化した料金プランを利用することで、ひとつのSIMよりも幅広いサービスの選択ができます。

今回はスマホの使い方が広がるデュアルSIMについて、メリット・デメリットに触れながら詳しい解説をしていきたいと思います。

目次

デュアルSIM(デュアルシム)とは?

デュアルSIMとは、1台のスマホにデュアル(dual/2重)、つまりSIMカードを2枚挿入して利用できる機能のことを指します。

通常、スマホ1台につき1枚のSIMカードを差し込んで利用しますが、デュアルSIMは2枚差し込めるため、2つの電話番号や異なるLINEアカウントなど、1台で2台持ち同様の使い分けができます。

デュアルSIMに対応したスマホは、携帯電話会社と契約した情報が記録されたICカード(SIMカード)を挿入する場所が2つあります。最近では、iPhone11、12シリーズ以降など、スマホ本体とSIMが一体化したeSIMとSIMカード組み合わせのデュアルSIM対応スマホもあります。

デュアルSIMのメリット、おすすめの組み合わせ

通常であれば、携帯電話会社が用意する電話番号を2つ持つには2台のスマホが必要になります。しかし、デュアルSIMなら1台のスマホで異なる電話番号やデータ通信プランを組み合わせることができます。

050から始まるIP電話を利用することで、デュアルSIMでなくても2つ以上の電話番号を使用することは可能です。ただし、IP電話はデータ通信回線を利用する性質上、通話品質が通常の電話回線よりも悪くなる場合があり、データ通信回線の混雑状況によっては通話が途中で切断されてしまいます。また、IP電話は緊急電話が利用できません。

SIMカードが2枚同時に使用できることで、いままで2台持ちでなければできなかったことを1台のスマホに集約できるメリットを見ていきましょう。

デュアルSIMで通話特化型のプランとデータ特化型プランを組み合わせることができる

SIMカードごとに通話とデータで料金プランを分け、自分の目的に合った安価な料金プランを組み合わせることで、携帯電話料金を節約できる可能性があります。

たとえば、無料通話プランと無制限のデータ通信プランの組み合わせを、異なる携帯電話会社で契約して利用することが可能です。

仕事で頻繁に通話を使用する回線、プライベートで主にデータ通信を使う回線を組み合わせられます。

また、異なる携帯電話会社と契約することができるため、なんらかの理由で通信障害が発生したとき、もう一方の携帯電話会社の回線を利用することができます。
通信障害は突如として発生する場合があります。
万が一に備えるためにも、複数キャリアの回線を持つことをおすすめします。

個人用と仕事用で分けることができる

通話プランのSIMカードを2枚使用することで、1台のスマホでプライベート用と仕事用で携帯電話番号を分けることができます。

電話番号が2つあれば、携帯電話会社の電話番号でしか登録ができないSNSアプリのアカウントを2つ取得して使い分けることもできます。

スマホ1台で、海外渡航先で入手したSIMカード、既存のSIMカードが併用して使える

海外でスマホを使用する場合、国際ローミングでは通信料金が高額になってしまうケースもあります。そのため海外旅行用のモバイルWi-Fiをレンタルする人も多いのではないでしょうか。

デュアルSIM対応のスマホの場合、普段利用しているSIMカードのほかにもう1枚SIMカードを挿せるため、スマホ1台のままで過ごすことができます。たとえば、渡航先で旅行者向けに販売されているプリペイドタイプのSIMカードをSIMカードが入っているトレイの裏側にそのまま挿して利用することができます(スマホによって対応の携帯電話会社が異なる場合があるため、注意が必要です)。

また、2つのSIMが利用できるので、旅行中にSMSや電話は国際ローミングしたSIMで行い、データ通信は現地で入手したSIMで行うフレキシブルな使い方も可能です。※渡航前に契約中の携帯電話会社の公式Webサイトなどで海外利用のオプションサービスを確認しておきましょう。

デュアルSIMのデメリット

1台のスマホを2台分の通信・通話機能に拡張できるデュアルSIMですが、メリットばかりではありません。

どのようなデメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

SDカードのスロットが利用できなくなり、データの保存容量が少なくなる

スマホの種類にもよりますが、多くのデュアルSIM対応スマホはSIMトレイの片側はnano SIMカード専用、もう片側はnano SIMカードまたはmicroSDカードを挿入できるようになっています。(例:Xperia 1 II/1/5 等)

省スペース化されたデュアルSIM対応スマホの場合、2枚のSIMカードを挿入装着するとmicroSDカードが利用できなくなり、スマホに大量のデータを保存したい場合に困ることがあります。

スマホによってはSIMカードトレイに2つのSIMスロットとは別にSDカードスロットを備えたタイプや、SIMカードトレイとSDカードスロットが異なる場所に設置されているタイプ、SIMの片方はeSIMになっているタイプもあります。

SIM/SIMカードについての詳細な解説はこちら

バッテリーの消費が早い

デュアルSIMは通常のSIMカードが1枚の状態と比較して、バッテリー消費が早くなるケースがあります。

原因は複数ありますが、そのひとつが「セルスタンバイ」と呼ばれる問題です。
セルスタンバイとはAndroidのスマホに搭載されているAndroidOS(アンドロイド オーエス)に備わっている機能で、受信している電波の状況が悪くなったり回線が切断されたりしたとき、最寄りの基地局の電波を探して再度回線を接続します。

このセルスタンバイ状態では、スマホを使っていなくても電波を探して活発に稼働している状態になるため、通常時よりもバッテリーを多く消耗してしまいます。

そのため、スマホを2台持たなくてよくなるものの、バッテリー消費が大きくなる可能性があるため、外出時には充電器やモバイルバッテリーを持ち歩いたほうがよいかもしれません。

スマホと回線の組み合わせによっては利用できない

デュアルSIMのスマホに限らず、SIMフリーのスマホ(携帯電話会社が他社のSIMカードを使えないようロックした設定を解除したスマホのこと)全般にいえることですが、携帯電話会社の組み合わせによっては、利用できないケースがあります。

スマホには対応している周波数帯(バンド)があります。この周波数帯が携帯電話会社の提供している周波数帯と一致していないとスムーズに通話できない可能性があったり、場所によっては通信がつながらなくなったりする場合もあります。
利用したい携帯電話会社の提供している周波数帯と、スマホが対応している周波数帯が一致しているか事前に確認しておく必要があります。

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デュアルSIMの種類

デュアルSIMには、スマホが2つのSIMをどのように認識するかによって、以下の4つの種類(方式)があります。

  • DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)
  • DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)
  • DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)
  • DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)

通話同時待ち受け

回線利用

SIMの切り替え

通話中のデータ通信

DSSS

不可

片方のSIMのみ

都度手動

不可

DSDS

可能

4G/3G

不要

不可

DSDV

可能

両方4Gで利用可能

不要

不可

DSDA

可能

両方4Gで利用可能

不要

両方のSIMで可能

それでは具体的にそれぞれの方式について、どのような機能を持つのか見ていきましょう。

DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)

2つのSIMを挿入できますが、どちらか片方のSIMだけを有効にすることができ、有効にしているSIMに紐づいた電話番号でのみ電話を受けられます。

利用するSIMはスマホを操作して都度手動で切り替えなければならず、有効になっていないSIMは 着信を受けることもデータ通信を行うこともできません。

無効化されているSIMは圏外になるため、電話をかけても圏外と通知されてしまいます。
有効になっているSIMは4Gで利用が可能です。

DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)

SIMを切り替える必要がなく、どちらのSIMに紐づく電話番号に着信があっても電話を受けることが可能な方式です。

片方のSIMで通信を行っている間、もう片方のSIMで電話の着信を受けることができますが、通話が開始すると通信はできなくなります。また、2つのSIMで同時に通話することはできません。

どちらのSIMの着信にも切り替え不要で電話に出ることができるので、プライベートと仕事で電話番号を使い分けたい場合はDSDS以降の方式である必要があります。

4Gを使用できるのはどちらか一方のSIMのみで、もう片方は低速な3Gになってしまうデメリットがあります。

DSDS対応のスマホとして代表的なのはiPhone11シリーズで、同シリーズはDSDVまたはDSDSです。またAndroidではXperia 1 Professional Editionが該当します。

DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)

DSDSより高性能として登場したのが、DSDV方式です。

SIMの切り替えなくどちらのSIMでも紐づく電話番号への着信を受けることができることや、通話が開始すると通信ができなくなる点、2つのSIMで同時に通話ができない点はDSDSと同様ですが、両方のSIMが4Gで利用できるため、データ通信が安定して高速で利用でき、プランのデータ通信容量を無駄なく活用できるメリットがあります。

DSDV対応のスマホとして代表的なのはiPhone11シリーズで、同シリーズはDSDVまたはDSDSです。

DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)

現在のデュアルSIMの方式では高性能なのがDSDAです。
2枚のSIMが常時使えるので同時に電話の待ち受けができたり、同時にデータ通信ができたりするので、通話をしながら別のSIMでデータ通信が行えます。

SIMを切り替える必要がなく、どちらのSIMに紐づく電話番号に着信があっても電話を受けることが可能で、片方のSIMで通話しながら、もう片方のSIMでデータ通信を行えるため、スピーカーで通話中にデータ通信プランに特化しているSIMで動画を見たり、大容量のデータをダウンロードしたりすることもできます。

デュアルSIMのメリットを活かすにはこのDSDAの方式に対応しているスマホを選択するのがおすすめですが、現在対応しているスマホはまだ少ないようです。

デュアルSIMの設定方法、手順を対応端末で解説

では実際にデュアルSIMの設定方法と手順について、対応端末を例にとって解説していきましょう。

SIMカード2枚

対応機種:AQUOS sense4 plus、OPPO Reno3 A

  1. SIM カードトレイを取り出す
    SIM カードトレイの小さな穴にクリップ(ピン)の先端や取り出しツールを差し込み、トレイを引き出します。
  2. SIMカードをトレイに装着する
    2枚のSIMカードをトレイの両面に装着します。
  3. SIMカードトレイを挿し込む
    SIMカードが2枚装着されていることを確認し、挿し込みます。
  4. APN(アクセスポイント名)の設定
    APN(アクセスポイント名)の設定は、自動接続で設定されます。

eSIM+SIMカード

対応機種:iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR 以降

  1. eSIMを申し込む携帯電話会社のeSIMを申し込み、QRコードを受け取ります。
  2. QRコードをスキャンするカメラAppを開き、eSIMのQRコードを読み取ります。
    「アクティベーションのため、モバイル通信プランが検出されました」という通知が表示されるので、「通知」をタップ>「モバイル通信プランの追加」をタップ>携帯電話会社から支給された確認コードの番号を入力します。
  3. APNの設定をするモバイル通信の画面を開き、「副回線」をオンにします。
    続いて「音声通話とデータ」をタップし、「LTE, VoLTEオン」を選択します。
    最後に「モバイルデータ通信ネットワーク」を選択し、「インターネット共有」の「APN」入力エリアにAPNを入力します。たとえば楽天モバイルであれば「rakuten.jp」です。

iPhone・iPadの動画で初期設定はこちら

デュアルSIMなら2台持ちしないでも仕事・プライベート等のさまざまな使い分けができる

デュアルSIMは1台で2つの電話番号を使い分けたり、2つの料金プランを契約できたりなど用途に応じて自由な使い方ができる便利な機能です。

ひとつのSIMと料金プランでは難しかった電話番号やデータ通信プランの運用も、デュアルSIMであれば柔軟なプラン選びから理想の形で実現することができます。

柔軟なプラン選びにはデータ通信を使った分だけお支払いする楽天モバイルの料金プランがおすすめです。

  • 0GB〜3GBまで980円/月(税込1,078円)
  • 3GB超過後〜20GBまで1,980円/月(税込2,178円)
  • 20GB超過後〜どれだけ使ってもデータ高速無制限2,980円/月(税込3,278円)※1
  • Rakuten Linkアプリ利用で国内通話かけ放題※2
  • iPhone(iOS 14.4以降対象)をご利用の場合は条件をご確認ください。※3

※ 製品代、オプション料、通話料等は別費用。
※1 公平なサービス提供または環境により速度低下する場合あり
※2 アプリ未使用時30秒20円(税込22円)。一部対象外番号あり。データタイプのお申し込みでは、データ通信のみの利用となり通話・Rakuten Linkアプリはご利用いただけません。
※3 iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone SE(第1世代)をiOS 14.4/14.4.1/14.4.2のバージョンでご利用になる場合、110/118/119への緊急通話で高精度な位置情報測位の正確性が低下します。iOS 14.5にアップデートすることで高精度な位置情報測位に対応いたします。楽天モバイルのご利用にあたり、iOS 14.4以降ならびにキャリア設定の最新バージョンへのアップデートをお願いいたします。
※ 掲載内容はプラン名・サービス内容の変更によって、一部内容を修正する可能性がございます。

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