テザリングとは?設定のやり方や利用時の注意点、メリット・デメリットをわかりやすく解説
外出中に安全に高速なデータ通信を利用したい場合、テザリングはとても便利な機能です。しかし「言葉は知ってるけど、テザリングってどういう機能?」「テザリングの使い方ってどうすればいいの?」という人も少なくありません。
そもそもテザリングには3つの種類があり、それぞれ特徴や設定方法が異なるため、スマホのメニュー画面を見てもよくわからないと感じても仕方がないことです。
そこで今回は、一番よく使われるWi-Fi®テザリングを中心に、設定方法や注意点を解説します。
テザリングとは?
テザリングとは、モバイルデータ通信ができるスマホを通して、直接インターネットに接続できないパソコン、タブレット端末などをインターネットに接続することです(スマホによっては、テザリング機能が備わっている端末と、備わっていない端末があります)。
テザリングは、現在販売されている5G/4G/4GLTEに対応しているAndroid™のスマホの多くや、iPhone5以降のiOSのスマホなどが対応しています。
さらに、テザリング対応しているスマホのほかに、携帯電話会社との契約時にテザリングサービスを申し込むことで利用できる場合があります。
携帯電話会社によっては月額で費用がかかるオプションプランとして提供されていますが、楽天モバイルやNTTドコモのようにテザリングサービスの申し込みが不要、月額無料で利用できる場合もあります。
テザリングの種類
テザリングにはWi-Fiテザリング、BLUETOOTH®テザリング、USBテザリングの3種類があります。
以下では、各テザリング方法のメリット・デメリットをまとめました。
テザリング方法 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
Wi-Fiテザリング |
・複数台同時に接続できる |
・バッテリーの消費量が大きい |
BLUETOOTHテザリング |
・ペアリング(※1)して利用するのでセキュリティが高い |
・通信速度が遅い |
USBテザリング |
・通信速度が速い |
・USBケーブルが必要 |
※1ペアリング:ワイヤレス通信規格のひとつであるBLUETOOTHを使って、電子機器同士をペア(接続)すること(BLUETOOTH接続ともいう)
※2USB PD対応:USB Power Deliveryの略称。2023年10月現在、最大48V240Wの給電能力を持つ
Wi-Fiテザリング
Wi-Fiテザリングは、スマホをWi-Fiの親機(アクセスポイント)にして、携帯電話回線を無線LAN(Wi-Fi)で飛ばし、インターネットに接続する方法です。
複数のパソコンやタブレット、ゲーム機など、Wi-Fiに対応しているさまざまな機器を接続できます。ほかにもカメラやプリンターなどにも対応しており、自宅のインターネット回線として活用できます。
また、Wi-Fiテザリングは、ほかの人のスマホを接続することも可能です。アクセスポイント名とパスワード、もしくはQRコードを共有することで接続できるため、家族で共有したいときにも利用できます。
BLUETOOTHテザリング
BLUETOOTHテザリングは、Wi-Fiと同様に無線でインターネット接続する方法です。BLUETOOTHテザリングの有効範囲は狭く、通信速度も遅いため、容量が大きいデータのやり取りには不向きです。また、複数の端末を同時に接続することはできません。
USBテザリング
USBテザリングは、スマホとインターネットにつなぎたい機器をUSBケーブル(有線)で接続する方法です。有線のため通信速度が速く安定していることや、セキュリティの高さが特長です。
テザリングをAndroid、iPhoneで利用するための設定のやり方
テザリングを利用するための設定方法は、AndroidスマホとiPhoneで異なります。今回はもっとも利用頻度が高いWi-Fiテザリングについて、設定と利用の手順をOS別に見ていきましょう。
Androidの場合
Androidを搭載したスマホの場合、メーカーによってメニューの項目名などが異なります。設定する前に、必ず利用しているスマホのマニュアルを確認してください。
また、Wi-Fiテザリングで接続できる端末は10~15台です。スマホによって異なるため注意しましょう。
(1)設定を開く
Androidの「設定」画面を開きます。
(2)「ネットワークとインターネット」を選択し、「アクセスポイントとテザリング」をタップする
設定画面で「ネットワークとインターネット」をタップします。スマホによっては「モバイルネットワーク」などの表示になっていることがあります。
「ネットワークとインターネット」の画面を開き、「アクセスポイントとテザリング」をタップします。
(3)「Wi-Fiアクセスポイント」を選択し、アクセスポイントの設定をする
「アクセスポイントとテザリング」画面で、「Wi-Fiアクセスポイント」をタップします。
「Wi-Fiアクセスポイント」画面で、「アクセスポイント名」と「アクセスポイントのパスワード」を設定します。アクセスポイント名やパスワードを設定するときは、個人の氏名や電話番号、職場などが推測できる単語は避けましょう。
テザリングを使う場合は、「Wi-Fiアクセスポイントの使用」のスイッチを右にスワイプしてオンにします。
テザリングを使う端末がないときに、自動で「Wi-Fiアクセスポイントの使用」をオフにする機能があります。機能を使うときは「アクセスポイントを自動的にOFFにする」をオンにしましょう。
(4)インターネットに接続したい機器で、Androidのスマホを選択
インターネットに接続したい機器でWi-Fi設定の画面を開き、(3)の「Wi-Fiアクセスポイント」で設定したアクセスポイント名をタップします。
(5)Wi-Fiパスワードを入力して接続
機器の設定画面で、(3)の「Wi-Fiアクセスポイント」で設定したパスワードを入力しましょう。アクセスポイント名とパスワードが一致すると、テザリングで接続できます。
iPhoneの場合
iPhoneのテザリング機能は「インターネット共有」と呼ばれています。また、iPhoneは最大で5台まで接続が可能です。
(1)設定をタップ
ホーム画面の「設定」アイコンをタップして、「設定」画面を開きます。
「設定」画面で、「インターネット共有」をタップします。
(2)「Wi-Fiのパスワード」を設定する
「インターネット共有」の画面で、「Wi-Fiのパスワード」を設定します。テザリングで接続するために必要となるため、メモなどに控えておきましょう。また、短すぎる文字列や「0123456789」、「password」などの推測されやすい文字列は避けて設定しましょう。
iPhoneの場合、アクセスポイント名を変更するには「設定>一般>情報>名前」に進み、iPhoneの名前を変更する必要があります。
また、「互換性を優先」は、電波を2.5Ghzに限定する機能です。接続する端末が5Ghzに対応していない場合などに使う機能ですが、特別な事情がない限り設定する必要はありません。
(3)「ほかの人の接続を許可」をONにする
「ほかの人の接続を許可」のスイッチをタップしONにすると、テザリングが使える状態になります。
(4)インターネット接続したい機器でWi-FiとしてiPhoneを選択
インターネットに接続したい機器でWi-Fi設定の画面を開き、接続したいiPhoneの「名前」をタップします。
(5)iPhoneに表示されるWi-Fiパスワードを入力
(2)で設定した「Wi-Fiのパスワード」を入力し、接続します。
テザリングを利用するときに注意したい3つのポイント
テザリングはセキュリティやデータ利用量の観点から、利用するときに注意したい点が3つあります。
不正アクセスや情報漏洩などのトラブルの原因になったり、データ利用量が増えてデータ容量が不足したりするので、テザリングを利用する前に確認しましょう。
テザリングはデータ利用量が増える
テザリングは、携帯電話回線の電波を利用するため、スマホで利用している料金プランのデータ容量を消費します。
パソコンやゲーム機で大容量のデータをダウンロードする場合は、データ容量が足りなくなる可能性があるため、注意しましょう。
また、データ容量が無制限の料金プランを利用している場合にも注意が必要です。スマホのデータ容量は無制限ですが、テザリングを利用するときはデータ容量の上限が決まっている料金プランがあります。
もしテザリングを利用して大容量のデータをダウンロードする場合は、テザリング利用時にデータ無制限の料金プランを利用するのがおすすめです。
バッテリー消費が激しくなる
テザリング中は、スマホのバッテリー消費が激しくなり、スマホ本体が熱くなってしまうことにも注意が必要です。
スマホ本体のデータ通信だけでなく、テザリングで接続している端末のデータ通信が発生するため、スマホのバッテリーに負荷がかかってしまいます。
テザリングを利用するときは、モバイルバッテリーを持ち歩いたり、パススルー充電ができるスマホを使ったりするのがおすすめです。
テザリングを多用するとスマホの寿命を縮める可能性があるため、ポケット型Wi-Fiの利用を検討するのもよいでしょう。
セキュリティ対策をしないとリスクがある
テザリングの電波は、見通しがよく風がない場所では最大で100m先まで届くことがあります。普通に利用していても、10~20m以上離れた場所や壁の反対側まで届きます。
そのため、意図せず多くの人の端末にアクセスポイントが表示されてしまう点に注意しましょう。
知らない人に見られることを前提に、スマホの持ち主を推測しにくいアクセスポイント名や、しっかりと記号や大文字小文字を交えたパスワードを設定するのがおすすめです。
また、テザリングをオンにしたまま放置すると、悪意のある第三者からの攻撃を受けることもあります。一定時間接続がないときは自動的にオフになるスマホも多くありますが、オフになるまで放置せず、必要ないときはテザリングを切る習慣をつけておくとよいでしょう。
テザリングとポケット型Wi-Fi、どちらがおすすめ?
外出先でノートパソコンやゲーム機をインターネットにつなぐには、テザリングとポケット型Wi-Fiのどちらがいいのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
テザリングのメリット・デメリット
テザリングのメリットは、スマホでテザリング設定をするだけでインターネットに接続できる点です。フリーWi-Fiがない場所でパソコンを使うときや、光回線がつながらなくなった場合でも、スマホがあれば手軽にインターネットに接続できます。
一方で、テザリングはスマホに負荷がかかるため、バッテリーの寿命が短くなります。フル充電の状態からあっという間にバッテリーが減ってしまう症状など、バッテリーに不調を感じた場合は、バッテリーの交換を視野に入れましょう※。
また、テザリングは光回線と異なり、データ無制限で利用できるわけではありません。スマホのデータ利用量の上限を超えると、通信速度が低下する可能性があります。
接続できる端末の数にも制限があります。Androidはスマホによって異なりますが、同時接続数が10~15台程度、iPhoneは5台と接続できる台数に限りがあります。
ポケット型Wi-Fiのメリット・デメリット
ポケット型Wi-Fiのメリットは、長時間使える点です。ポケット型Wi-Fiのバッテリーをフル充電すると10時間程度利用できるので、長時間利用しても安心です。
さらにポケット型Wi-Fi向けの料金プランは、通話ができる携帯電話回線よりもリーズナブルな価格で利用できる傾向があります。データ無制限で利用できる料金プランを利用すれば、データ容量の残りを気にする必要もありません。
しかし、ポケット型Wi-Fiは端末を持ち歩くため、荷物が増えてしまいます。またスマホの携帯電話回線と併用する場合は、新しくデータ通信回線を契約する必要があるため、費用が高くなってしまう点もデメリットといえるでしょう。
テザリングを利用するならデータ無制限の楽天モバイルがおすすめ
テザリングは、スマホの携帯電話回線をパソコンやタブレット、ゲーム機などのほかの機器に共有する方法です。Wi-Fi環境がない外出先や突然光回線がつながらないトラブルが起きたときにも、かんたんにインターネットに接続できます。
テザリングを利用する際におすすめなのが楽天モバイルです。楽天モバイルは、家族割適用※で、データ容量をどれだけ使っても最大2,880円/月(税込3,168円)。プラン料金の上限が決まっているため、データ容量を気にせずにパソコンや携帯ゲーム機でテザリングを利用できます。
※プログラム適用条件あり
テザリングでインターネットを楽しむなら、ぜひ楽天モバイルを検討してみてはいかがでしょうか。
※Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
- 家族割適用で、0GB〜3GBまで880円/月(税込968円)
- 家族割適用で、3GB超過後〜20GBまで1,880円/月(税込2,068円)
- 家族割適用で、20GB超過後〜どれだけ使ってもデータ高速無制限2,880円/月(税込3,168円) ※1
- Rakuten Linkアプリ利用で国内通話かけ放題※2
- iPhone(iOS 14.4以降対象)をご利用の場合は条件をご確認ください。※3
※ 製品代、オプション料、通話料等は別費用。
※1 公平なサービス提供または環境により速度低下する場合あり。
※2 アプリ未使用時30秒20円(税込22円)。一部対象外番号あり。データタイプのお申し込みでは、データ通信のみの利用となり通話・Rakuten Linkアプリはご利用いただけません。
※3 iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone SE(第1世代)をiOS 14.4/14.4.1/14.4.2のバージョンでご利用になる場合、110/118/119への緊急通話で高精度な位置情報測位の正確性が低下します。iOS 14.5にアップデートすることで高精度な位置情報測位に対応いたします。楽天モバイルのご利用にあたり、iOS 14.4以降ならびにキャリア設定の最新バージョンへのアップデートをお願いいたします。
※ 掲載内容はプラン名・サービス内容の変更によって、一部内容を修正する可能性がございます。
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